チームで仕事する実践的PDCAサイクル

このページではチームで仕事をする上での、PDCAサイクルの具体的な回し方を紹介していくのですが、その基礎を満たす事でさらに効果が一層加速するといった重要なポイントがあります。そのことについてある程度把握した上で、PDCAサイクルの実施に踏み込んでいただくようにしてください。

基礎というのは「承認欲求」のことで、それが満たされるだけで人は自然と動き始めます。これは、PDCAサイクルに取りかかる上で必ず外してはいけない重要なポイントです。

実は、多くのPDCAサイクルは、この承認欲求の部分がスッポリと抜け落ちており、それがきっかけで形だけのまったく成果が上がらないモデルになってしまっているのです。

プロジェクトにかかわる人たちの承認欲求がうまく満たされていないと、PDCAをうまく回す事は出来ません。

いわばこの承認欲求とはPDCAをうまく回すための潤滑油とも言えるのです。

ここからは、実践的なPDCAサイクルの手引きをお伝えしていきます。

1.PLAN(主体的に決定するのは、あくまでもスタッフ)

マネージャーなどの上司の立場からPDCAサイクルを見たケースにもっとも大切になってくるのがこのPlanの段階です。

「承認欲求を満たす」といった技術も、ここで一番活きてきます。

具体的なステップが6つあるので、ここで順を追って見ていきましょう。

ここでは、具体例として、ショップの売上改善という目的を想定。

ステップ1……売上を構成している要素を書き出す

最初に売上を構成している要素には何があるのか、その要素を洗い出す事から開始していきます。

売上を構成している要素は色々あると考えます。

集客や単価設定、提供手段や接客などです。

このケース、大事な事は、この要素の洗い出し作業を上司一人で行ってはならないということです。

それは、なぜでしょうか?

上司自身で決めて完結しまうと、実際までのトップダウン形式となんら変わらないからです。

ですから考える主体を『自身』ではなく、『スタッフ』に移すのです。

チームメンバーやスタッフに自身の代わりに腹積もりてもらうという感覚が近いかもしれません。

他にも、あなたの役割は、チームメンバーがよいアイデアを気持ちよく出せるためにうまく導いていく役割です。

ですからスタッフに質問を投げかけながらともに分析していきましょう。

このようにして会議やミーティングを進めて行く事で、スタッフは自ら売上を作る思考で考えることができるので、スタッフの頭の中でどうすればよいのかがスッキリと明確に見えてくるのです。

スタッフから出た考えを、支障がなければホワイトボートにマインドマップのように書き出していき、整頓をしながら整理していきましょう。

そうする事でより活発な議論が生まれてくるでしょう。

ステップ2……挙げた要素を見ながら、何を変更して売上を伸ばすかを決める

ステップ1で売上を構成している要素が挙がったら、次はその中でどの要素を変えれば売上が上がっていくかをスタッフとともに考えるようにしましょう。

しかしこの時に、多くの要素に手をつけていこうとすると、行動力が分散してしまうので、選択する要素は一つか二つに絞りましょう。

加えて選定する規格は、「どれが正しいか」ではなく、「どれに手をつけたいか」にするのも極意です。

そうする事でスタッフのやる気も上がり、この後の積極的なDo(実践)につながります。

ステップ3……ゴールを設定する

手をつける要素が決まったら、次は、いつまでに、売り上げなどでどの程度の移り変わりを実現するかを定量的に決めていきましょう。

これも、スタッフが主体となって決めていきます。

ただしあまりにも、実現の見込みがない高いゴールを設定しようとした場合は、質問を使ってうまく誘導しながら、考えさせて、少々頑張れば届く範囲で楽しくみんな取り組める程度のゴール設定に落としていきます。

高くも低くもなく、ちょっと努力しないと届かない少しストレッチが必要になる範囲のゴール設定にするのがポイントです。

ここで大切なのは「自身でゴールを設定した」とスタッフが感じる事なので、「このゴールにしてくれ」と上司が言わないように気をつける必要があります。

ステップ4……中間点を決めるゴールが定まったら、中間目標を決める。

これも、いつまでに、どの程度の遂行を目指すか、定量的に決めていきます。

例を挙げると、ゴールの達成を半年後としているケースは、2ヶ月刻みで、中間目標を決めていくのがよいでしょう。

またAdjustの段階では、ここで決めた中間目標をスタンダードに、Doの場合の実践がどの程度の成果を挙げているかをスタッフと一緒に確認します。

ステップ5……ゴールに到達するための行動案を沢山挙げる

手をつける要素と、ゴールや目標が決まったら、どんな行動を取っていくかそのアイデア出しをスタッフと一緒にしていきます。

このケース、スタッフが出したアイデアはどんなにつまらないように見えても決して否定してはいけません。

理由を言えば、ここで否定してしまうと、信頼関係は一瞬で傷つき、スタッフは怯えながら上司の考えている解答を探し始めてしまいます。

そのためにここでは、アイデアが出尽くすまで、すべてのアイデアに肯定的に捉えていきましょう。

ただスタッフの中には、アイデアがあまり出てこない人もいると思います。

そのような場合は、スタッフが「すごいアイデアを言わなければならない」「どうせ、自分が考えるアイデアなんて大した事ないから発言しないほうがいい」と、勝手に自分自身でハードルを上げてしまっている場合も多くあります。

このような場合は、特別に、リーダーであるあなたから、ちょっとちっぽけなアイデアを出して見ましょう。

そうする事で、「この程度のアイデアでもいいのか」と、思うようになり、あなたの前で自らのアイデアをどんどん出してくれるようになるでしょう。

ソフトバンクの孫正義さんも、そうやってはじめに社長自らがつまらないアイデアを出す事で場の発言を活性化させているようです。

ステップ6……採用するアイデアを決める最後のステップです。

ステップ5で出てきたアイデアから、実際に採用するアイデアを選定していきます。

この事例も、ステップ2と同じように採用するアイデアは1つから、多くてもせいぜい3つくらいに絞りましょう。

そうする事によって、行動力が集中しやすくなります。

しかも「正しい」行動よりも、「やりたい」行動を選ぶ事も同じように重要になります。

成果の出る確率の高さよりも、スタッフのモチベーションを第一に考えて、採用するアイデアを決めていきましょう。

なぜならスタッフの向上のその先に「売上」があるからです。

そして進化するには「やらされている」と感じる行動をとらせるよりも、「自ら決めた、自分でやるとコミットした行動」をとらせる方が何倍も効果的になります。

以上が、Planにおける6つのステップです。

PDCAサイクルにおいてはこの段階が、あなたの活躍がもっとも不可欠とされますが、それぞれのステップでアイデアを出したり、判断を下したりする主役は、いつもスタッフである事を忘れないようにしましょう。

最終的にスタッフが自ら考えたと納得できるように、彼らのアイデアを引き出していく事が、あなたのここでの役割になります。

2.DO(行動を見守ることに徹する)

実際の行動をするのはスタッフ自身であるから、この段階ではあなたの役割はあまりありません。
することとしては、スタッフの行動を見守ります。
その上その間も、基本的に口出しするのは厳禁です。
なぜなら、週に一度程のミーティングをしていれば、スタッフのモチベーション維持や、もっとやりたい方向に持って行くことができるので口出しをする必要はなくなっていくためです。
ただ、スタッフから直接連絡があった時は、積極的に対応しましょう。
しかしそうした時でも、トラブルが起こったという報告はほとんどないはずです。
かえって、直前にたてた計画があまりうまくいかないことを分かったので、他の行動を取ってみたいとという報告がたくさん出るでしょう。
そうした時は、スタッフのその提案を積極的に採用しましょう。

3.CHECK(成果よりプロセスにフォーカスしろ)

Checkに対しては、スタッフとのミーティングの頃に行いましょう。
頻度は、おおむね1、2週間に1回程度、そしてその時にチェックするのは売り上げや目標数字の達成程度ではなくて計画を実践してみたことでの感想にします。
成果に視線を向けられるほど、「したい行動」よりも「しなければならない行動、上司に正解の行動」をとってしまい、スタッフは息苦しさを感じたりモチベーションが落ちて行くためです。
また、1週間の実践に関する感想だけでなく、スタッフの周辺の人間関係や悩みもこの時に尋ねましょう。
私がマネジャーを受け持っていた時は、ひとりのスタッフに対して、概して15分ぐらいミーティングの時間を捉えていましたが、スタッフが深刻な悩みを抱いていた場合などは時間を延長して話を聞いていました。
これは信頼関係を維持する同時で本当に重要なことであるから、状況によってミーティング時間は調整するようにしてください。

4.ADJUST(進展に合わせて目標数値を調節する)

ここでは、Planで定めた中間目標と実際の状況との差をスタッフのように確認して行きます。 この確認は、概して1ヶ月に1回程度でしましょう。
ここでは今までのミーティングとは違って。
数値目標と現象との乖離も確認します。
今までの主張を見れば「数値面は見ないんじゃないのか?」と考える方もいるかもしれないので説明をします。
なぜ、月に1回のミーティングでは数値面も見るのかというと、今までのことと位置づけが違うためです。
1、2週間に1回するミーティングの目的は「スタッフが主体的に行動をするためのトレーニングの場所」でした。
したがって数値面を無視した「スタッフの感覚」で良かったです。
しかしその「行動の結果」を定量的に確認して行動の修正をしなければ、「感覚的によい」と思っていたのが別に効果がなかった。
ということに気づくことができません。
それでここでは数値面でみた行動の修正を行います。
ただ、ここでの注意点が2つあります。
ここまで読んで進行させて受けた方ならば今はご存知だと思いますが。
注意点の1回目は、数値目標と乖離があったとしてもスタッフの評価をすることはしてはいけないということです。
評価する対象はあくまでも「行動」です。
そして2回目は、新しい行動を考えるのはあくまでもスタッフというのを忘れてはいけないということになります。
「主役はスタッフ」というのを忘れないで、上司はスタッフが考えをまとめるサポートや、行動しやすい環境を備えることがことが大事です。
そして変えるのはあくまでも「行動」です。
目標は変えないようにしてください。
達成が困難なため目標を下げてしまえば、ありきたりなアイデアしか出てこなくなります。
一方目標を達成している場合には、ゴールやその手前の中間目標の数値を上げることも検討しましょう。
この場合、すでに目標を達成しているので、スタッフの意欲も上がっていて、話は進めやすいでしょう。